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お世話になっております。ヘルプデスクの moriken です。

雑記

先日、ひょんなことから、コールセンタでオペレータの業務を丸一日経験する機会を得た*1。今までやったことのない仕事で、中々よい経験ができたので、今日はそのことについて書いてみたい。


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ポジションはアウトバウンダ

コールセンタでは電話を受けることをインバンド、かけることをアウトバウンドと呼ぶらしい。自分がおおせつかったのは電話をかけるアウトバウンダの役割。インバウンドの人が受けて一次回答できなかった問い合わせに対して調査を実施してかけ直すというのが主な仕事である。

人が怒りを覚える時

ヘルプデスクに電話をかけてくる人というのは、必ずしも怒っているという訳ではない*2。ただし、やはり中には怒っている人もいる。たらい回しにされた人だ。あれこれ何度も、別の人とやりとりした人の堪忍袋の緒はブチ切れ寸前である。

自分の役割はアウトバウンダであるので、基本的にはそれより前に電話対応した人がいる。問診票と呼ばれる紙に前の人の応対の記録があるにはあるのだけれど*3、コールセンタが開設されて間もないこともあって、システム屋の視点からは問題解決に必要な情報が揃っているとは言い難い場面もある。

そういう場合は電話をかけて状況を最初から問診するところから始めるのだけれど、質問者にとっては違う相手に対して同じ(と思える)話を何度もすることになる。すると怒りが込み上げ、バーサーカーモードに突入してしまうのだ。

バーサーカー相手では、「マニュアルが分厚くて困る」とか、「人事異動でシステムをわかるヤツが居なくなったのにそれを補う仕組みが用意されてない」といったおおよそヘルプデスクとは関係ない苦情を受けることになる。

たらい回しにされると、自分も確かに怒りが込み上げてくるが、それは、必ずしもオペレータが悪いわけではない。オペレータとして怒れる人と対峙することで、この業務の大変さの片鱗を感じることができた。

どういう人が問い合わせるかを知る

インバウンダが記入する問診票には、相手の役職や、性別、所在地などの情報が記されている。これはシステム的な調査にも必要なんだけど、それ以上に重要な示唆を与えてくれる。少ないサンプルなんだけど次の傾向が見て取れた。

  • 役職が高い人と低い人は紳士な人が多い。逆に、中間管理職と思しき場合は無理難題をふっかけてくる
  • 女性は男性に比べて理不尽なことを言わないし、応対も丁寧
  • 都会の所在地からの質問はピンポイントであることが多く*4、田舎からの質問は漠然としたもの*5が多い

問診票をどうやって作ったのかは分からないが、なるほど、それなりにノウハウが詰まったフォーマットだということがわかった。

少しググってみたところ、コールセンタ業務というのは、いいかえればストレスとの戦いなのだそうだ*6。目に見えぬ相手に電話をかけて(場合によっては激おこぷんぷん丸)、問題を解決する手伝いをする。そのストレスは決して小さくない*7。 しかし、事前に相手がどんな人かわかっていれば、架電のストレスをだいぶ減少させることができる。

カイゼン、改善、KAIZEN

ところで、なぜ、私がこの業務を経験しているか疑問に思った人もいるかもしれない。理由は、先日カットオーバーした某システムについてエンドユーザからの問い合わせが殺到していて*8、ヘルプデスクチームから応援要請が来たためである。

電話が殺到しているコールセンタ業務。これは、プロセス改善のユースケースとしては、典型的だしとても興味深い題材だ。「電話が殺到していてコールセンタがバタバタしている」、という状況を改善するための手段を少し妄想してみた。

かかってくる電話の数を減らす

そもそもの電話の数を減らすには、システムの操作マニュアルを見やすい場所に配置したり、研修を実施するなどユーザにシステムに習熟してもらう必要がある。一方で、ユーザの声を聞いてシステムそのものを改善するというのもある。いずれにしても、中長期な視点での対応といえそう。

オペレータの数を増やす

インバウンダは予算が許せばスグに増やせるかもしれない。アウトバウンダはシステムの専門知識が要求されるので人を探すのが少し大変だと思う*9

あとは、4グループにわかれているインバウンダを共通化するのは有効そうだ。ユーザ組織に合わせてそれぞれのインバウンダを配置しているが、この垣根を取り払い、全員で4グループ分を受けるアプローチである。待ち行列理論的にはこれで待ち時間も処理速度も向上する。政治が許せば(ユーザが納得すれば)試してみる価値はありそう。

オペレータの生産性を向上させる

これがやはり本命のカイゼンだろうと思う。目新しさはないけれど、情報共有の仕組み、対応の定型化、それらを支えるツールの整備といった辺りは直ぐに実施すべきで、効果も期待できそうだ。

世界が広がる良い経験

この年になって、しかも自分の業界では、あまり従事するチャンスがなさそうな業務を経験できたことは中々有益だった。システムエンハンスのネタ(ユーザ向け、ヘルプデスク向け)も拾えたし、生のユーザの声も聞くことができた。オペレータが凄く難しい質問を受けていることも理解できたし、その大変さも体感できた。チャンスがあればもう少しKAIZENに関わってみたいな、と思っている*10

*1:今後も発生するかもだけど

*2:中には、非常に申し訳なさそうに操作を質問する人もいるし、対応結果にお礼を述べてくれる人も少なくない

*3:え、紙?システム化されてないのはナゼと感じたあなたは鋭い

*4:例えば、ある操作を行う際に表示される注意文言の解釈は?など

*5:例えば、これどうやって使うの?

*6:給料は良いが、離職率がとても高いらしい

*7:正直にいうと、自分も定時が来た時にはかなりの披露感を感じた

*8:旧システムからは見た目や使い勝手が大きく変わっている

*9:わざわざ対人スキルの劣る開発チームにまでヘルプ要請が来るぐらいだし

*10:アウトバウンダの役割を期待されてそうな雰囲気も感じるけど