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英語学習に100万円以上使って分かったこと、わからないこと

雑記 英語

ほんとは「MBAが秘密にしておきたい究極の英語学習法」とかいうもっとキャッチーなタイトルも考えたんだけど、あんまり大げさなこといえるような立場でもないので、少し控え目にすることにした。

ということで、今日は、一応海外在住(といっても香港だけど)のMBA留学生という視点から、英語学習について思うところを書いてみようと思う*1

ゴールデン・ルールと導関数

まずはじめにこれを全ての前提としたい。

英語学習のゴールデン・ルールで、それは「話せば話すほど、聞けば聞くほど、書けば書くほど、読めば読むほど上手くなる」ということだ。ちょっと理系風に書くと次のような感じ。

f(t)=\int_{t_1}^t\{g(x)-h(x)\}dx

ここで、fは英語レベル(ある時刻における英語運用能力)、gは学習曲線(ある時刻において単位時間で得られる英語力*2)、hは忘却曲線(ある時刻において単位時間で失われる英語力*3)を表すこととする。t_1は学習開始時刻(英語学習を始めた時期)。一応g, h>=0とする。

ちょっと注目してほしいのは、f(t)をtで微分したf'(t)を最大化するような方法があれば、それは非常に効率的な学習方法だということだ。なぜなら同じ時間勉強したとしても、f'(t)が大きい方法ならば、結果としての英語レベルは上だからである。

世の中に英語学習を語るサイトは山ほどあるが、とどのつまり、みんなが知りたいことは、このf(t)をtで微分したf'(t)を最大化するような学習法はどれか、ということなんだろうと思う。

日常語で言えば、例えば「ある方法だと1時間に50個の単語しか覚えられないが、別の方法では100個覚えられるかもしれない」という状況の中で、100個覚えられる方法はどっちか、というのが英語学習者の興味の対象だということだ。

そこそこの程度の負荷をかけて傾きを緩やかにしない

さて、方法論として英語学習法は色々ある。ある人は毎日シャドウイングをしなさいといい、またある人は瞬間英作文が良いという。ヒアリングマラソンを一押しする声もある。とはいえ、残念ながら、正直いって、どれが良いかというのは自分にはよく分からない。

で、ここでは代わりに「負荷」というのを考えてみたい。何が言いたいかというと、同じ1時間英語を勉強するにしても、ぼけーっと中学校の英語の教科書を読むよりも、超真剣にThe Economistの記事を読む方が効果的、つまり傾きが大きいのではないか、ということである。

どんなことでも慣れればホトンドエネルギーを消費しなくてもできるようになる。経験則的にはそういう状態になった場合、学びの速度は落ちる。gが小さくなるのだ。どんな方法論を採用したとしても、レベルアップに伴って負荷を上げる、つまり負荷レベルを一定に保つことが、f'(t)を緩やかにしないコツなのではないだろうか

モチベーションコントロールで継続学習

もう一度、英語レベルを表す数式を見て欲しいんだけど、よく見ると、この中にはh(t)という項があり、これは即ち何もしなければ、時間の経過とともにドンドン忘れて英語レベルが落ちていくということを表している。

英語学習が挫折ビジネスと呼ばれる所以の一つは、成長実感が非常に些細であることにも起因している。毎日真剣に英語を勉強しても、目に見えて自分が出来るようになったと感じることはまずない。そうすると継続的な英語学習を支えるモチベーションはいずれ無くなってしまう*4。結果として、継続的な学習がなくなれば、上述のとおり、時間とともに英語レベルは確実に低下してゆく。

ドラクエのように、はぐれメタルを何度か斬る→レベルが上がって新しい呪文を覚える→楽にボスを倒せるようになる、という成長フィードバックが短いサイクルで起きればモチベーションを維持しやすいんだけど、英語とかダイエットとかそういう類の現実はそうそう上手くはできていない。

ということで、実感しにくい効果を目に見える形にする、というのはモチベーションを減らさない、という観点から意味があると思う。巷ではTOEICの評判は最悪だけど、定期的にこういうテストを受けて自覚できないレベルアップを可視化していくというのも悪くないと思う*5。とにかく英語力を向上させるには、継続学習が必要なのだ。

ちなみになんだけど、ごく稀に、成長を実感できる時もある。経験則的なんだけど、それはおおよそ1000時間の学習毎に訪れるようだ。前まで詰まって言えなかったことがすんなり言えるようになっていたり、何を言ってるか分からなかった話がすんなり聞こえるようになったりする。とはいえ、これはラッキーパンチみたいなものなので、モチベーションの観点からはあんまりあてにできない。

その他、2ヶ月ぐらい集中して英語を勉強して、1週間ぐらい何もしないでぼーっとした後に、何となく違いを感じる事がある。ただ、意図的にこれをモチベーション維持のため使いこなすのはちょっと難しい気がする。

英語を習得しやすい属性ならラッキー

ここは(も?)完璧に主観なんだけど、今まで出会った人で、この人英語うまいなー、と思った人にはある程度共通する特長があった。

若い

語学学習の効率、傾きは残念ながら年齢とともに、指数関数的に減少していくようだ。同じ時間(長時間)を英語学習に費やしたとして、10歳ぐらいまでならネイティブになる可能性もあり、20歳ぐらいまでなら日本人としてはかなりの上級者になる可能性がある。逆に30歳を超えたら非常につらい戦いを強いられることになる

転じて、年齢によって効率的な英語学習の方法も随分変わるのではないかと思う。30歳を超えたら、英語に囲まれる環境にいたとしても、それだけでは英語ができるようにならない。単語を覚えたり文法を勉強したり、フレーズを暗証したりという英語圏の赤ちゃんや子供は絶対にやらない作業が必要になると思われる。発音なんかも専用にトレーニングしないとダメだ。

女性

サンプル数がそんなに多くないので、偶然かもしれないが、外国で出会う日本人女性は大抵の場合スゴク英語がうまい。何かの研究によると女性(と左利き)は左脳と右脳を繋ぐ脳幹というのが男性より太いらしく、要するに、脳の構造はどうやら違うようだというのがわかっているらしい。ひょっとするとこの構造の違いが差を生んでいるのかもしれない*6

社交的

これはある程度予想どおりかもしれない。ゴールデン・ルールでも触れたが、英語レベルは積分なので傾きが小さくても英語に接している時間が長ければ長いほど上達する。社交的な人は外国人の友人も多いし、結果として彼らと接する機会、英語を使う機会が多い。


もし、あなたが、これらのどこかに属しているなら、周りから一目置かれる英語話者になれる可能性が高い。もし、そうではない場合は、残念ながら、費用対効果の悪い、イバラの道を覚悟しなければならない。

おわりに

自分も傾きを最大化する英語学習の方法論が知りたい。多読なのか英文の読み上げなのかよくわからないが、その手の研究者が科学的にそれを解明してくれるのを期待せずにはいられない。これは100万円英語学習に使っても未だにわからない。逆に、分かったのは、適度な負荷で、継続する(モチベーションを維持する)ことは重要そう、あと英語学習に向いているタイプがありそうだ、ということである。

個人的には税金で30億円ぐらい研究者に投資して、国として日本人に最適の、つまり傾きが最大の英語学習法を開発してもいいんじゃないかとさえ思っている。今後の日本人にとっての英語の必要性を加味すると、それは、楽勝で30億円以上の価値を日本にもたらすのは間違いない。

*1:MBA受験では予備校に通い、TOEFLやGMATを何度も受験し、留学後は英語の授業とグループワークを何とかやっている、という意味で普通の人より多くのお金をかけ(100万円以上)、ちょっと多くの時間時間英語を勉強している、と思う

*2:その時刻で勉強しないと0になる

*3:その時刻に勉強しても0にはならない

*4:早い人だと3日で無くなる...

*5:ただし、残念ながら仮にTOEICで990点をとったとしても英語でコミュニケーションが成立する、というところからはかなり遠い位置にいることに注意

*6:もちろん女性の方が男性よりも根性がある、など色々な可能性が考えられる