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秋クラスの途中経過

MBA

昨日は中秋节で、今日は国慶節。中国の建国記念の日にあたる日で、ここ香港でも祝日だ*1。ここ数日は街中で様々なイベントが催される。



そんな残り少ない香港生活の彩りの中、HKUSTのMBAにおいてもオーラスに近い秋セメスターが始まって何週間か過ぎた。今回は少しその授業の途中経過をまとめておこうかと思う。

Technology and Innovation Management

いわゆるイノベーション・マネジメントの授業。個人的には、これはかなりアタリと言えそう。これまでのところ、イノベーションとは何か?という初歩から始まり、その評価軸やフレームワーク、イノベーションをどう広げるか、(破壊的)イノベーションが組織や経営に与える影響といったところを扱った。

扱う事例がAppleやMicrosoft、GoogleにSony、Yahooといった自分のバックグラウンドからすると馴染みのある会社だったりして、理論が腹に落ちやすい。IT企業勤務でありながら、この分野について受講前に何も知らなかったというのも今考えると恐ろしいことだな、と思っている。その意味でもホントに受講してよかったと思う。

また、この授業はリーディングマテリアルがかなり充実しているのも素晴らしい。イノベーションのジレンマといった古典から、イノベーションプラットフォームとエコシステム、破壊的イノベーションへの典型的な5つの対処パターンなんていう、HBRやMIT Sloan Management Reviewの記事が適宜含まれているのである。

MBAに来る前は、思いっきり破壊的イノベーションと目される技術のR&D部門にいたこともあり、色々と自分の経験と重ねてしまうことも多い。つらい現実として、自分のいた業界では破壊的テクノロジーへのシフトが現在進行形なのである。残念なことに、今までの授業及び周辺リーディングで学んだ限り、破壊的イノベーションが現れた時に、既存技術でビジネスをやっていた企業が無傷で済む方法というのは、学問領域では確立されていなそうである*2

かのウォーレン・バフェットはハイテク関係には投資しないと言っているが、ひょっとすると、その理由は、このテクノロジーの変遷が与える不確定要素(ボラタリティの高さ)が彼のリスク許容度を超えている、ということなのかもしれない。

今後は、IDEOなどのイノベーションを生み出す方法論や組織、Crowd Sourcingなど最近の流行について扱う予定で、まだまだ楽しめそうである。

(参考)Amazon EC2 は Innovative か?

Challenges, Opportunities

これは、ぶっちゃけ、かなりハズレの授業である。1単位なんだけど、この授業に大金を払っているかと思うとかなり腹立たしい。

教授は、大学発ベンチャーのCEOとして香港市場に上場した経歴がある。ここまではいいんだけど、彼曰く「自身の過去をふり返り、未来を切り開くキッカケとして授業をやっている」とのこと。自分の感覚からすると「?」という内容である。

なぜ、お金を払って、彼の過去の反省とよりよい未来を築く目的の授業に参加しなければならないのだろう。確かに彼の経験から学べることはなくはないのだけど、同じ時間でスティーブ・ジョブズの自伝でも読んだほうがよっぽどマシである。

それでも、授業が抜群に面白いならまだ許せるが、同じ話を何時間もするし、クラスは体系化されてないし、微妙な政治の話を日本人めがけて(つまり自分に対して)しかけてくるし、正直とんでもないクラスである。

Marketing in China

HKUSTのチャイナ関連のクラスで人気があるものは、ほぼ全て西洋人によるものである。というのも、中国ビジネスを学びたい人っていうのは、ホトンドの場合、外国人で中国人ではない。とすると、外国人が中国でビジネスを行う場合に躓く場所とか、盲点になりそうな部分に光を当てられるのは意外にも外国人なのである。つまり、実際に中国でビジネスを行った経験があり、英語が流暢で、ビジネススクールでビジネスを語れる*3、という条件で探すと、必然的にそれは、欧米企業のExecutiveということになるのだ。

このクラスもご多分にもれず元ペプシコ中国のCEOによるものだ。授業の内容は、大企業のマーケティング部でのプロセスを中国コンテキストで学んでいくというもので、普通に面白い。

で、多国籍大企業のCEO、やはり、頭のキレが半端ない。というのも、クラスで誰かが発言すると、それがどんなにハズレた話だったとしても、それを拾って、自分の引き出しから話題を補足し、コンテキストに則りユーモラスにクラス全体に提供してゆくのだ。それを、本当にポンポンやってのける。

転じて、欧米企業のExecutiveの姿、考え方、リーダーシップを直に体感する、というのも密かな受講目的になりつつあったりする。

*1:ちなみに、MBAは祝日も関係なく授業がある

*2:組織を分離して破壊的テクノロジに専念させるという以前から言われている案や既存のカスタマベースのよりニッチを狙っていくという作戦まで色々と紹介されたが、やはり、どれもそれなりの痛みを伴う

*3:ちょっと安易だがMBAを持っている、と置き換えてもよいかもしれない