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エンジニアのためのMBA参考書

雑記 MBA

MBAというところには、様々なバックグラウンドを持った人が集まってくる、というのは迷信である。
実際は前職が金融やコンサルというのがかなり多く、会計士や弁護士といった士族も結構いる。また学部の専攻がビジネスである者も多い。非ビジネスバックグラウンドの学生、例えば、コテコテのエンジニアというのは本当に数えるぐらいしかいない。つまり、ホトンドの学生はどこかで会計だのファイナンスだのといった科目を履修済みなのである(参考)。

同業者にわかりやすく説明すればエンジニアのMBA留学というのは「入社早々OracleSQL研修(ただし言語は英語)に突っ込まれたコンピュータに触ったことのないSE」というような状況である。罰ゲームと言ってもよいかもしれない。

よくアドミがいう「入学にあたってビジネスの知識は不要」というのは半分嘘で、半分ホントである。というのは、SQLというのは工学部出身者にとってみれば「まー、そんなに大変でもないよね」というレベル感であり、初心者でもすごく努力すれば何とかなる範囲、というのが感覚的に想像つくであろう。

MBAの授業もそのレベルである。分かっている人(バックグラウンドのある人)にとっては学部レベルの難易度、ただし初学者(つまり、理系出身者)にとっては、現実的には結構シンドい、という感じだ。

ということで、かなり前置きが長くなってしまったが、今回は、非ビジネスバックグラウンドの人、主に理系で生きてきた純ドメな人向けに、MBA初期に役立つ日本語のオススメ参考書を2冊紹介したいと思う。


まずはこの本。会計の参考書だ。

経営の判断力が身につく! 海外ビジネスを変える英文会計
木幡幸弘
キョーハンブックス
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会計の難しさって、その概念もさることながら、用語がちんぷんかんぷんになりがちな点にもある。EBITだROEだNOPATだとめまぐるしく色んな言葉が出てくる。そういうのを予め日本語で整理し、何を表すのか理解できていれば授業がかなり楽になる。あと、外国のMBAで扱うのは日本の会計基準ではなく、IFRSやUSGAAPなので、その意味でもオススメだ。財務諸表の読み方、つまり財務分析にも踏み込んでいて、その点も素晴らしい。MBAの会計の授業でも、財務分析というのは大きなトピックの一つである。


もう一冊はファイナンスの本。

道具としてのファイナンス
石野 雄一
日本実業出版社
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これは香港の日本人MBA取得者の方に教えてもらった本。かなりオススメ。ファイナンスは理系にとっては数学ちっくなところもあってとっつきやすいんだけど、やはり全体像をつかむまではちょっと大変。この本は、初学者向けに最初から書いてあるし、説明の論理展開が明快なので理系には読みやすい。少しだけ難点を言えば、結果の行間(つまり数式による補足)がもう少しあれば安心して書いてあることを信用できるかなー、という感じ。


両方の参考書について言えるんだけど、結構薄い本(300ページぐらい)なので、エッセンスを掴みながら鳥瞰図を作るのにとても適している。ただ、一方、とはいっても、授業はこれより深く扱うところもあるので(特に会計)、残念ながらこれだけやれば良いという事でもない。ただ、授業が始まる前にこれらを読んでBig Pictureが描けているか否かというのは、その後大きな差として現れてくると思う。

ちなみに、オペレーション・マネジメントとか、統計学、ITの科目などについては、ホトンド心配する必要はない。統計学MBAでも重回帰分析ぐらいのトピックを扱うので、思い出すという意味で何かあれば安全かもしれない。心配なら(理系)学部時代に使ってた教科書を引っ張りだすか買い直すのがいいと思う。