MBAの授業ってこんな感じ(後編)

MBAのクラスってどんな感じで構成されているのか、というエントリの続き。前回の事前準備編に続き、今回は授業の構成を紹介したいと思う。

授業

授業時間は3時間30分である。この授業が8コマあって2単位が得られるようになっている。8コマ目が試験かそれに相当するプレゼンに充てられることが多いので、実質的な授業は7回の場合がホトンドである。授業中に1回か2回10〜20分間の休憩がある。


なお、授業時間についてはスクール間で結構違いがあるようだ。交換留学に来た学生や香港の他スクールの人の話では、90分で倍のコマ数というところや、12コマで3単位というようなところもあるらしい。


うち(HKUST)の場合、典型的な授業だと、だいたい授業を二分割して、前半を講義、後半をケースディスカッションとすることが多い。ちなみに、ディスカッションが行いやすいように、授業はこんな感じの教室で行われる。



講義中の教室の風景


全員の席の前にネームプレートが置かれ、何となくかしこまった感じがする。日本の大学しか知らない自分としては、ちょっとカッコいい。基本的に自由座席で、最後列(Back row)は常に人気がある(笑)ちなみに、HKUSTの場合、1クラスは標準的に50人ほどの学生で構成される(それ以上多いと教授の目が行き届かないということだと理解している)。


ディスカッション中はもちろん、講義中であっても、ほぼ任意のタイミングで発言してよい。発言内容としては、質問、意見、経験のシェアなどが主だ。No question is stupidという文化があり、どんな質問でも基本的には歓迎される。意見も同様だ。日本人はどうしても、それまでの文化背景からか、深い洞察を含む質問や意見で「グサッ」とやりたくなり発言量が少なくなりがちだ。ただ、(ここがアジアのスクールだからか)そういう深い発言が好きだという教授もいる(結果高評価を貰える)。


若干脱線するが、個人的には、もし何か言いたい事がある場合は、スグに発言するのが吉だと思っている。


教授が授業中に使う英語は非常にわかりやすい。全員に理解させることを目的に話しているため、とてもクリアで聞き取りやすく、込み入った表現もあまり使わない。ところが、学生の発言はそうとも限らない。正直言って、何を言っているのか分からないこともママある。


そんな状況の場合、自分のイイタイコトをずっと暖めていると、気づかない間に全く同じことを他の学生が既に発言してしまっていることも起きうる。いくら授業中の発言は何でも肯定される文化といっても、同じことをいうのはさすがに微妙な行為といえる。


ディスカッションは、教授がファシリテータとなって議論を正しい方向に導いてくれる。自然に結論に向かって進んでいくので、正直いって、楽ちんである。事前課題で主要な論点については各々考慮してあるので、議論が止まることはあんまりない。NHKのサンデル教授の授業を思い出して貰えれば、あんな感じに近い、といえるかもしれない。


あと、突然教授に指名されて何かを言わされる「コールドコール」というものもある。が、実は、これについてもあんまり心配する必要がない。というのも、普通に予習していれば、突然あてられたとしても、(質問さえ聞き取れていれば)何かを言うことはそんなに難しいことではなく、更に、どんな質問に対しても必ず誰かは手を挙げるため、MBAでは(ひょっとしてUSTだけ?)そもそもコールドコールが発生しにくいのである(教授は挙手している学生を優先的にあてる)。

まとめ

という訳で、前編、後編に分けてMBAの授業の構成について紹介してみた。


事前準備は、ケース分析(個人&グループワーク)が主で、教科書を読む必要があるスクールもある。慣れない間は概ね6時間ぐらいの作業である。クラスは「No question is stupid」の精神で発言は常に肯定され、講義とディスカッションがバランスよく配置されている。


全体をとおして、美味しいどこ取りができるように授業は構成されている。苦労して積み木を一つ一つ積み上げてもよいが、個人的には、与えられた時間とそこで消化することが期待される量のバランスを考えれば、これはこれで良い方法論なんじゃないかと思っている。


最近は iTunesU とかでMBAのクラスも見れたりするらしいので、そういうのを見るとよりイメージを持ちやすい思う。それと、形式ではなく、授業の内容そのものについては、HKUST MBAの非公式日本語サイトでいくつか紹介(その1その2)を載せているので、よければそちらも参照してみてほしい。


(おしまい)