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泥水は美味しいか?

会社で「あいつはキレる」と評判の先輩社員と一緒のプロジェクトを担当した際の雑談の場面での一コマ。


先輩曰く「最近は若い間に泥臭い仕事をやるチャンスが減ってきた。単純にそういう仕事に対して新入社員が多い、という会社の構造変化によるものだが、いずれにしても若者はもっと泥水を飲むべきだ


スマートな所作がその切れ味の一部であった先輩の口からそんな言葉が出てくるとは、とても驚いた。


日本のIT業界、というか大手SIerで常に議論となることに「viとEmacsの宗教論争」に加えて「技術力、コーディング能力、維持管理や保守の経験はマネジメントに必要か」というのがある。現場の下積み、苦労の経験なしにマネージャとして、チームやプロジェクトを管理できるのか、という問である。


やや、話を広げると、例えば「新卒でコンサルファームに入って、20歳前半の若者がクライアント企業の経営に対して有用なアドバイスができるか」とかいうような問題にも類似していると思う。


先の先輩は下積みが必要という立場。自分もどちらかと言うとそちら側のスタンス。しかし、当然だけど、これが絶対的な解ではない。


自分の見た限り、常識を持った大人を相手に仕事をする場合、泥水をすすった経験が無いからといって、目に見える差別を受けることは無い。むしろ問題は、客観ではなく主観。つまり、自分が厳しい場面で「経験上の血肉」にすがれないことに耐えられるか、という点ではないかと思う。


つまり、抜群に何でも人一倍こなすことができて、かつ自信があるのであれば、泥水を飲む必要はない。所詮、ビジネスは結果が全て。結果を伴えば、過去の経験が問われることはない。実際、MBAクラスタには、驚くべき経歴の人がいて、そういう人にとっては、泥臭い現場経験というのは(いい意味で)不要だろう。数学オリンピックで金メダルをとっちゃうような小学生にとって、学校教育の数学が不要であることが自明であるように。そういうのは、才能に対して時間の無駄遣いなので、どんどん高みを目指すべきだと思う。


だた、一方で、(統計的に)そういう人は一握りであるし、自分としては経験の裏打ちに乏しいことは心理的に結構な負担となる。なので、ホトンドの人は泥水をすする経験が必要だと、個人的には思っていて、そういう場面では、自分は泥臭い作業を経験するのが必要なんじゃないか、という立場を表明することにしている。


あと、今更だけど、泥水って何なの?という議論ももちろんあるだろう。それについては、チャンスがあれば、点と点を繋ぐ、という偉人のスピーチに倣ったエントリで書いてみたいと思う。


昨夜、今後のキャリアパスについて考えている優秀な若者(正しくは交換留学に来ている同じMBAクラスタの方なんだけど、年齢が8歳も離れているので、年長特権を使って若者とここでは呼ばせてもらうことにする)にあって、ぼやっと感じたことをエントリにまとめてみた。