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ITSBCC その5

MBA ケースコンペ

ボストン4日目(現地時間3月31日)予備ラウンド

9:00にBUキャンパスに集合し、その時を待つ。9:40からが本番である。待合室にはコーヒーやサンドイッチ、軽食が用意されているのはいつものこと。ただ、緊張(感)からか、全く眠気も感じないしあまり食欲もない。

待つこと数十分...。そして運命の時。Judgeの控える別室に案内される。とはいえ、観衆は全部で5人だけ。EricssonからJudgeが3人、運営側からタイムキーパー、誘導係がそれぞれ一人ずつ。そこを切り出して見れば、全く緊張する必要もないような人数である。

あとは練習どおりといった感じだ。全般的にみんな(自分含めて)やや硬かったが、そんなもんだろう。自分は、この手の場面でいつもするのと同じように、ずっとJudgeの表情やメモを取るタイミング、しぐさなどを観察していた。ちなみに、笑顔でチームメイトの発表に相槌というのも合わせて試みている。曇った笑顔だろうが、とりあえず努力はしたということだ(笑)。

個人的にはQ&Aの内容は正直イマイチだったと思う。アイデアの曖昧なところを質問され、パワポの資料及び回答者間で統一性を持って受け答えできなかったのだ。あと、自分のパートについては、プレゼンで話したことについて再度質問された。自分の内容が伝わってなかったことを知り軽くショックを受ける。この日の朝、Sにだけそっと(本音トークで)話していた懸念か所が見事に質問されて、自分としては「やっぱりなぁ」という感じもありつつ、英語のハンデもあって、それが中々上手な回答に結びつかなかったのは残念極まりなかった。

Judgeの表情やQ&Aの対応を総合するに、自分の判断は「残念だけど、まぁ、勝ちあがることはないな」というものだった。ここまで来られたし、やるだけやったんだから良かったんじゃないかと妙に納得もしていた。ただ、チームメイトの意見は異なり、SやAの弁を借りると「まじ最高の出来だった。もし負けるとしたら、Judgeが我々のプランを気に入らなくて、他のチームがより優れたアイデアを披露したときだけだろう」とのこと。見事に自分とは正反対の見解だった。

昼食〜Collaboration Session

発表が終わった後、2時間ほどした11:30ごろに参加者全員がいったん集合させられた。この日の午後に行われるCollaboration Sessionの説明のためだ。その直前まで全く気づいていなかったのだが、主催者側の計らいで、参加スクールとEricssonのExecutiveがごちゃまぜになってのセッションがこの日の午後に予定されていたのだ。

16スクールをバラバラにして、ランダムに14チームを作る。それぞれのチームにEricssonからの参加者を加えたチームを編成し課題に取り組むという形式だ。驚いたことにここにも賞金が出て、1等賞金が(チーム全体で)USD4,000だった。何度もいうが、自分は人見知りなので、「あっちゃー、また面倒くさい企画をやってくれちゃって。素直に寝せてくれればいいのに」というのが素直な感想だった。

昼食の後、しぶしぶ指示された部屋へ向かう。自分はNo.13というチームにアサインされていた。しかし、結果的には、このセッションはなんだかんだで、想像以上に良い経験となったのだった(ちなみにこの段階で少しネタバレすると、このセッションで自分のチームは優勝できた)。



Collaboration Sessionのチームメンバーと(1位獲得の瞬間!)


この時出題されたお題は「City OSのビジョンとそれを応用した都市の将来像を3時間で考えてA4 6枚のポスターを作ること」というものだった。昼食後にチーム部屋に到着すると、他のメンバーは集合済みで、何やらみんな個人ワークでウンウン考えていた。ということで、空気を読んで自分も検討をはじめる。自分は「City OSは超堅牢なコミュニケーション手段を提供するもので、災害に超強い都市づくりをサポートする」というコンセプトを軸に構想をねった。もちろん、日本人であることを鑑み、昨年の地震の経験をいかした提案ができるだろうという読みのもとである。

15分後ぐらいにアメリカ人Mがおもむろに立ち上がり、黒板で議論のファシリテーションを始めた。City OSのコンセプトについてのブレストから始まり、見事に議論を一つの方向にまとめていく。エンジニアのバックグラウンドを持った人はいなかったようで、OSという概念を正確に知っている人はおらず(面倒なので、自分も知らないフリをした)、議論がかみ合わないことも少なくなかったが、それを上手にまとめ上げていく。ドンドンとアイデアや知見を述べ合う場が形成され、非常に生き生きとしたディスカッションがみるみる生まれている。いや、Mも、この参加者達もまじでスゴイは。やっぱ海外のスクールの学生違うねーと自分は内心、ハラハラしていた。一応自分も発言したが、英語の下手さも手伝って、全体にあまり真意を伝えられなかったように思える。チームに混ざっていたEricssonのExecutiveにはウケていたようだったが。

ある程度話がまとまった所で2人ずつにわかれてのPPT作成となった。自分は先程のアメリカ人Mとペアになってビジネスモデルを考えることになった。M:「Ericssonがこの領域で利益を上げるタメのビジネスモデルってどんなのかな?」自分:「OSの一つの重要な機能は標準化。標準化を独占して、コンペティタを排除することで何か新しいビジネスモデルが作れないだろうか?」M:「うーん、よく分からん。もっかい説明して」自分:(がーん、てか英語が分かってもらえないのか、内容がわかってもらえないのか、それさえもわからん(泣))なんて事を繰り返した。

ある程度議論が進み、アイデアを最終決定する際に、Mは思いがけない行動をとった。アイデアを持って、EricssonのExecutiveの元に向かったのだ。そして彼の意見を参考にしつつアイデアをブラッシュアップさせ完成させたのである。

正直この方法には「はっ」とさせられた。

  • 2人作業での意見の相違を強力な外部の助け(この場合はEricssonの人)を借りて空気を壊さずに決着させたこと
  • それに仕事として取り組むプロ(Ericsson)に対して数十分のディスカッションの結果を臆することもせず見せてコメントを貰ったこと
  • そして最終的にMが望むものに近い最終決定を持っていったこと

こんな事をあたり前のように、しかも謎の東洋人とのチームであっけなくやってのけるMの凄さを改めて思い知った。

ちなみにExecutiveとの会話の中で、(予想はしていたけど確信は無かった)Ericssonのビジネスについてのちょっと面白い事実を教えてもらった。ケースコンペの事前準備で自分として仮説として持っていたもので、それが正しいことが証明されて、別件だが、うれしかったりもした。

その後Mとパワポ作成に移ったんだが、ちょっと雑談していると、Mのバックグラウンドが分かってきた。MBAの前はPEファーム勤務で、McKinseyでの職務経験もあるそうだ。って、おいおい、MBA卒業後の超人気職種に入学以前からいたのかー、と心の中でツッコミを入れつつ作業を続ける。PPTの使い方に慣れていたり、グリッド表示がデフォだったりしたので、コンサルの匂いは感じていたのだが、聞いてみてドンピシャだったのはちょっと笑った。

そうこうしていると、チーム内のバックグラウンドが続々と明かされ、なんと自分以外は全てコンサル出身もしくはコンサルにインターンが決まっているなどのコンサル集団であることが判明した。あなた達、コンサル軍団だったのね。職業に貴賎は無いのだけれど、え、自分、SEですが何か?という、いささかつらい瞬間でもあった(笑)。

「コンサルはホントにギリギリまで作業する習性がある」と日本人同級生のAさん(コンサル)から前に聞いた事があったが今回その現場を目撃してしまった。あらかた準備が終わった作業終盤に「締め切りまであと20分。○○はまだ××する余地があるけど、やる?やるよね!」と自分からしてみれば重箱の隅をつつくような作業を最後の最後までつめて行っていたのだ。自分なら投げ出して20分ボケーッと休むというのを確実に選択している場面である(笑)。

その後の雑談で、他スクールチームのコンペの提案内容をちょっとだけ伝え聞いた。あるチームは「即席でiPadのアプリを作成し、それを配したiPadをJudgeに配った。プレゼンの最後はそのアプリと連動するようになっており、Judgeの判断で結論が変わるように演出した」と言っていた。他のスクールのメンバーはこれだけの高生産性軍団で、かつ、こんな飛び道具を使われた日には自分たちには全くもってチャンスが無いというのを改めて意識せざるを得ない状況だった。

いずれにしても、このCollaboration Sessionはよい経験になった。コンサルに混ざって彼らの仕事ぶりを見ることができたし(初めての経験)、少しだけネットワークも広げる事ができた。Mからは学ぶ事が多かったし、自分の考えていたビジネスの仮説が正しかったことも分かった。そして、冒頭でネタバレしたが、このチームで1位を獲得することもできて(賞金も獲得、ちなみにこのSessionの順位の発表は時系列で言うともっと後)、結果としては、幸運にも大満足なセッションだった。英語の問題とコンサルの手法についていけなかったこともあり(彼らと共通言語がない、というか勝手が違って成果物のイメージが共有できなかった)、若干フリーライダー気味だったのは申し訳なかったけど。



最終成果と審査の様子。自分はとある都合でこの場にはいられなかった。


(続く)

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