こうすれば受かるMBA風のエントリ

まえおき

MBA受験者の間で有名な こうすれば受かるMBA というサイトがあります。トップスクールに合格された方がその軌跡やコツを記し、後の受験生の参考とするためのサイトです。

とても有用な情報が公開されていて、私もこのサイトで「読み始めて止まらなくなる」という経験を何度かしたことがあります。

最近、MBA受験について、自分も何らかの記録を残しておきたいと思うようになりました。そこでこのサイトのフォーマットをパクって私も受験を振り返ってみました(自分の場合はショボすぎて本家にはアプライできないので個人ブログで公開です)。

執筆者紹介

【ハンドルネーム】 moriken
【進学先】 HKUST (まだ本確定ではないけど)確定しました
【他の合格校】 HKU, CUHK, CEIBS
【途中辞退】 なし
【WL】 なし
【不合格校】 なし
【年齢・性別】 31歳・男性
【職歴】 SE 6年(国内)
【私費/派遣】 派遣
【最終学歴】 北海道大学大学院工学研究科
【GPA】 3.8
TOEFL】 95(Reading:24,Listening:23,Speaking:18,Writing:30)
【GMAT】 640(Quantative:50,Verval:26)
【海外経験】 学生時代に夏休みLAでインターンシップを2ヶ月

なぜ今MBA

思うところがあり、20代の中盤から海外で生活したいという野望を抱いてました。会社で海外部門勤務の希望を出していたのですがなかなか叶わず、30歳の大台を超え「転職もありか?」と考えていました。

ちょうどそんな折、会社で社費留学の制度が改正され、中国限定の留学コースというのが新設されました。行き先が中国限定ということで、かなり社内の倍率が低いだろうと踏んで応募しました。結果、ヨミが当たって無事選考通過。ラッキーでした。

31歳という年齢でエンジニアとしての今後のキャリアを考えたとき、ビジネスというフィールドを知った上で、その将来をアジアにかけてみるのも悪くないかと思いMBAを志望しました。

スケジュール

時期 出来事
09年12月〜10年2月 社費留学に応募。応募のためにTOEICのスコアが必要で、朝方タクシー帰りした後にフラフラ(二日酔い)で受験したにも関わらず自己最高点(830)が出て驚く。簡単なエッセイとそれを元にした面接を経て、2月の取締役会で正式に派遣候補となる。
10年2月 人事部の招集で社内の社費候補が本社の会議室に集められ今後のプロセスについて説明を受ける。他の候補の数人は既にTOEFLを受験していたり、予備校の授業をひと通り受講済みであることを知る。既にビハインドを追っていることに気づき、かなりあせる。3日後、同じく社費でMBAを取得した先輩(後の推薦者)のもとを訪ね泣きつく。
10年3月 有給を取得し、予備校周りをする。「今スグTOEFLを1回受験して厳しさを認識すべき」との某予備校担当のアドバイスをもとにTOEFL初受験。あまりの難しさに言葉を失う(65点)。
10年4月 AGOSでS(Independent)を受講。講師は外国人で、授業は全て英語だった。純ドメの自分には英語の授業に参加している自体がミラクルに感じられた。が、言っていることがほぼ完璧に理解でき「実は英語意外とイケる?」と勘違いする。しかし間もなく、クラスメートと比べ圧倒的にダメなことに気づきショックを受ける。
10年5月 AGOSのW(Independent)とS(Integrated)を受講。ついでにTOEFL2回目受験(79点)。
10年6月 AGOSのS(Integrated)を受講。TOEFL3回目受験(81点)。まったくTOEFLで点数が上がる兆しがないが、予備校で周りの人が"GMAT"と書かれたテキストとにらめっこしてたのに影響されGMATの講座を選ぶことにする。ググるとYESという予備校の評判が随分よかったので、文法クラスから受講する。
10年7月 YESで文法クラスから引き続きSCクラスを受講する。授業のレベルが高すぎてしんどい。わからないところがわからないため質問もできない状態が続く。4回目のTOEFL受験で79点を叩き出し絶句する。
10年8月 YESで引き続きSCクラスを受講する。5回目のTOEFL受験(83点)。この先、このテストで100点を超える日なんて来るのかと絶望する(結局超えなかったが。。)。
10年9月 YESで引き続きSCクラスを受講する。6回目のTOEFL受験(85点)。ちなみにGMATにRCやCRなるセクションがあることはこの時点でまだ知らない。プライベートで結婚した関係で、引越しやらなんやらで一時的に勉強時間が全く確保できなくなり、かなり焦る。
10年10月 TOEFLでろくな点数がとれず、GMAT未受験ながら、ぼちぼち出願を考えなければならないことに気づきAGOSの出願まるっとパッケージを申込む。カウンセラーの方とネタだしを開始。7回目のTOEFL受験(87点)。ネットで評判だった Jack の添削を始める。今考えると、ここでカウンセリングを申し込まず、また Jack にメールを送っていなければ、今頃この文章を書いていることはなかったと思う。
10年11月 気分転換でマスアカを購入しサラッと眺める。一応理系なのでMathは大丈夫そうな感触を得る。受験準備を始めて初めて少し安堵する。初GMAT受験(570点)。想像では例によって恐ろしい点数(450点ぐらい)かと予想していたが思ったよりいけたので、ひょっとして2回目ぐらいでそこそこ点数が取れるんじゃないかと大勘違いをする。TOEFL8回目受験(89点)。
10年12月 年末のHKUの出願に向けてエッセイを書き始める。推薦状を用意したり、出身大学に transcript の送付を依頼したりしつつなんとか締切りに滑りこむ。出願後の年の瀬に2回目のGMAT受験。1回目と同じ570点。やっぱり世の中そんなに甘くないと気づかされる。出願の合間にTOEFL9回目受験(93点)
11年1月 TOEFL10回目受験(95点)、11回目受験(93点)。HKUインタビュー実施。ボロボロ。CUHKに出願。GMAT3回目受験(590点)。JackのおかげでTOEFLのスコアが少しはマシになってきた。
11年2月 HKUより条件付きのオファーが来る。条件はGMATで600以上取ること。あの散々だったインタビューでもオファーをくれたHKUに心から感謝。CUHKインタビュー実施。想定していた質問が出て、少しだけ話が弾む。中旬にCEIBSに出願。下旬にCEIBSテストというGMAT相当のテストを受験しに上海のCEIBSキャンパスを訪問。その後、CUHKから(条件の付かない)オファーが来る。とりあえず、留学不能は回避できることになり安堵する。
11年3月 TOEFL12回目受験(95点)。4回目のGMAT受験(640点)。時期的にもこれ以上の受験は意味がないのでTOEFLとGMATを終了する。地震の2日前にCEIBSのインタビュー。地震の2日後にHKUST出願。下旬にCEIBSからオファーが来る。
11年4月 HKUSTインタビュー。中旬に条件付きオファーが来る。条件はELS受講で、8月までの英語学習プランを提出せよとのこと。大慌てで3つプランを作成して提出。結果、米国のOrlandoでELSを受講することが正式オファーの条件となる。
11年5月 英語が話せないことを隠すために今まで避けていたキャンパスビジットを実施。現在はELSの受講申請、香港ビザ、米国ビザの申請などに悩まされる。

費用

予備校80万円くらい(AGOS、YES)。

試験代40万円くらい(TOEFL、GMAT、IELTS(実は2回ほど受けました))。

その他30万円くらい(参考書、推薦状翻訳、EssayEdge、Jack、GMAT KINGなど)。

合計155万円くらい。

予備校選び

AGOSとYESに行きました。AGOSは大手らしく標準化された講義でした。Writing Integratedクラスは超強力テンプレートを伝授してもらえるのでおススメです。私は受講しませんでしたがGMATクラスの評判もよいようです。日本人カウンセラーはかなり親身になってくれますし、エッセイを信じられないほど洗練させてくれるスゴ腕カウンセラーもいるので、出願まるっとパックも意外とオススメです。

YESは講義も受講生もかなりレベルが高くてついていくのがやっとでした。「TOEIC受けても、文法セクションがいつも足を引っ張るんだよね〜(=自分)」という人は、結構辛いと思います。英語が得意な方ほど目からウロコが落ちるようです。素晴らしい講義であることは間違いないです。

あとは、私的にはとにかく Jack に救われました。最初はWの添削だけをお願いしていたのですが、最終的には出願エッセイの手直しとかそいういうのもまるっとお願いしました。

レジュメ

AGOSの出願まるっとパックに入っていたレジュメ作成コースにのっかり作成しました。後に Jack に手直ししてもらいました。そこそこの見栄えのものができたと思います。ただ、有識者で書き方の作法が違います。例えばGPAはレジュメには入れないという人もいるし、よい値なら入れてもよいという人もいます。どれを信じてよいのか謎です。結果として、どうでも良いんだと思うようにしました(笑)

TOEFL

この部分について私が言えることは非常に少ないです。Writingパートについてのみ少しコツがわかった気がします(過去エントリ参照)。

IELTS

実は2回ほど受験しました。人によってはTOEFLよりも点数が出やすいとの噂を聞きつけ、こっちにも手を出してみました。結果としては、世の中そんなに甘くなく、特にWとSの採点基準が謎で、ろくなスコアも出ず、落胆することになりました。私にはTOEFLの方があっていたようです。

GMAT

SCはYESに通いました。CRは市販の参考書を利用。Mathはいちおマスアカを買いましたがあまり手をつけず、中国問題をやりました。その他、PrepとGMAT King、Kaplanの問題集についていた模試をやりました。AWAはもちろん Jack です。ただ、ここも結局胸をはれる点数はとってないので効果についてはなんとも言えません。

エッセイ

実社会でバリバリ仕事をしている人は、おそらく結果至上主義で、普段その結果を導く過程はそれほど重視していないのではないかと思います。ところが、MBAのエッセイでは、結果ではなくその経過にフォーカスする必要があります。極論を言えば「数百億円のプロジェクトを成功させた」という事実はそれほど重要ではなく、その過程がいかに strategic かつ reasonable かということが大事なのです。

私は、最初、どうしてもこの考え方に慣れることができず、結果を華美に強調するものを作成してしまいがちでした。最終的には、過程重視のエッセイを作成したのですが、今思うと本当にカウンセラーのアドバイスに従っていてよかったと思います。

理由は2点あります。1点目は結果的に出願過程においてエッセイでアプリケーションを落とされることがなかったこと。2点目は受験後に冷静な状態で自分のエッセイを見直したとき、意図せずその説得力、迫力に驚いたことです。

私なりの解釈なのですが、過程重視でエッセイを書くということは、エッセイにインパクトを与える書き方の王道手法なんだと思います。そしてアドミッションはそのインパクトで点数を付ける傾向にあるのではないでしょうか。

ビジネスパーソンのみなさんは、ひょっとして馴染みのない切り口かもしれないですが、エッセイは思い切ってプロセス重視で作成してみることをオススメします。


実際の作業としては、基本的にAGOSのサービスを利用しました。ネタだしから添削までお願いしてます。あと英語の文法や言い回しは Jack に直してもらってます。米国在住の某カウンセラーは本当にスゴ腕で、びっくりするような添削をしてくれます。対面やSkypeはあんまり先に進まないという話を聞いたので、ネタだし以降は全部メールベースで進めました。結果的に満足のいくカウンセリングが受けられました。

あ、あとEssay Edgeも一度使いました。ただエディタのあたりが悪かったのか、思ったほど劇的な変化はなかったです。よいエディタにあたれば、文章がとても洗練されるだけではなく、内容についてもアドバイスを受けることができるようです。

推薦状

以前のプロジェクトリーダ、直属上司、同僚の3人に依頼しました。基本的なネタだしをしたあと、推薦者に時間をとってもらい内容について相談を重ねました。相談の場で推薦状の設問に荒く答えてもらい、その内容を日本語に書き起こしたものをベースとしました。日本語の内容を翻訳業者に投げて英訳したものを推薦者にお渡しして、その後を煮るなり、焼くなりしてもらいました。結果としてどのような内容が提出されたのかはわかりません。

本当は自分で英訳してもよかったのですが、エッセイと文体が似るのは良くないと判断し、業者に依頼しました。ただ私が利用した某業者は正直地雷で、語法の使い方が??かつ基本的な文法ミスも多かったです。実際には業者の翻訳を一度 Jack に直してもらいました。

志望校選定

社費の制約から中国の大学を受験することが義務付けられていました。中国本土よりは香港に魅力を感じていたため、香港の大学を中心に選定しました。後は基本ランキングで優先度を決めた感じです。

インタビュー

正直、このパートが心理的に一番の重荷でした。純ドメであることも手伝い、自分が英語の面接に英語で答えている姿が全く想像できなかったのです。面接は都合5回実施しましたが、概ねいまいちでした(汗)。

2010年の10月ごろからオンラインのフィリピン英会話を始めました。ほぼ毎日コンスタントに30分ずつ英語を話す習慣をつけたのです。実は、国内のマンツーマン英会話やネイティブによるネット英会話なども試したことがあるのですが、私にはあまり合いませんでした。

一方、フィリピン英会話はかなりよかったです。たしかに講師の発音は米国人ネイティブではないです。しかし、一人ひとりの講師が英語教育のプロで、どうやったら効果的に英語が上達するかを心得ています。特別な訓練を受けていない我々が外国人に日本語を教えるのが困難なことを考えれば、まぁ納得ですが。

よくある質問として「Walk me through your resume.」とか「What is your carrer goal?」などという定番を練習するのが定石かと思いますが、私の経験上、実際の面接ではこんなストレートなことを聞かれたことは一度もないです(とはいえ、定石の練習が無駄になることはないと思います)。

受験生が見る情報は当然面接官もチェックしているわけで、どのスクールの面接官も想定問題にはない質問やヒネリを入れるようにつとめているように感じられました。

あと、インタビューは全てビデオSkypeを選択しました。たしかに、空気感が伝わらないという大きなデメリットがあります。ですが、移動時間が節約できる、見えない場所にカンペを用意できる、英語が聞き取れないときはSkypeのせいにできる、そして何より自宅が面接会場になるためスゴくリラックスできるというメリットもあります。個人的には中々オススメです。Skypeインタビュー。

その他提出書類

財政証明書の提出を求められたことがありましたが、会社で用意してくれたものを利用しました。

アプリ提出後

4校受験して、2校は面接終了後にサンクスメールを送りました。残り2校は何もしてません。それがどう影響するのかは謎ですが、心象を悪くすることはない思いますので、うまくメールアドレスがわかる場合はサンクスメールを送るのもよいかもしれません。

受験を振り返って

受験中は、TOEFLやGMATの結果を見るたび本当に何度も何度も心が折れました。一度心が折れると、モチベーションが低下し、勉強時間が減ります。するとまた点数が上がらない負のスパイラルに突入です。

受験をうまく乗り切るコツは、いかに心を折らずに、モチベーションをキープするかだと思います。私は受験中期から、TwitterやBlogの情報をとおして他の受験生も同じ境遇であることを知り、少し落ち着くことができました。

また、周囲の協力もとても重要です。職場や家族の理解無しではかなり苦しい道のりになると思います。私は幸いにして、すごく協力的な上司や同僚、後輩に恵まれました。妻のサポートもありました。予備校のカウンセラーやJackにも助けられましたし、推薦者の方々はみな快くその役を引き受けてくれました。これらの恵まれた環境で準備を進められたことがMBA受験を振り返って最大の幸運だったと断言できます。

その他

これは私も受験中ヒシヒシと感じたのですが、アジア、中国のMBAについては欧米のトップスクールとは色々と状況が違うようです。それについてはこちらのBlog(これからシンガポールMBAの話をしよう~NUS白熱教室 総括)にとてもよくまとまっています。アジアMBAを考えている方は個人的に必読だと思います。



(追記) HKUST入学後どうなっているか?については次のエントリをご参照ください
ケースコンペでボストンに行った時のこと
MBA全般の話題